UIデザインの心理学 わかりやすさ・使いやすさの法則
インプレス
著者:Jeff Johnson
訳者:武舎広幸、武舎るみ
Introduction はじめに
0.1 UIデザイン原則─その起源と効果的な適用方法
0.2 UIのデザインと評価には知識と経験が必要
0.3 UIデザイン原則の比較
0.4 デザイン原則の起源は?
0.5 対象読者
第1章 認知バイアス
1.1 経験によるバイアス
1.1.1 知覚的プライミング
1.1.2 なじみのものに関する知覚パターン(フレーム)
1.1.3 習慣化
1.1.4 注意の瞬き
1.2 コンテキスト
1.3 目標
1.4 認知バイアスに配慮したUIデザイン
1.4.1 あいまいさを排除する
1.4.2 一貫性を保つ
1.4.3 ユーザーの目標を把握する
1.5 まとめ
第2章 構造と視覚
2.1 近接
2.2 類同
2.3 連続
2.4 閉合
2.5 対称性
2.6 図と地(前景と背景)
2.7 共通運命
2.8 ゲシュタルトの法則の組み合わせ
2.9 まとめ
第3章 構造の利用
3.1 簡潔化と繰り返しの排除
3.2 桁数の多い数字
3.3 データ専用のコントロール
3.4 視覚的な階層化
3.5 まとめ
第4章 色覚の限界
4.1 色覚の仕組み
4.2 明度ではなく色差を感知
4.3 色の表示方法に左右される色の識別能力
4.4 色弱の人もいる
4.5 色の識別能力を左右する外的要因
4.6 色使いのガイドライン
4.7 まとめ
第5章 周辺視野
5.1 中心窩と周辺視野の空間分解能の違い
5.2 周辺視野に得意技はあるのか?
5.2.1 周辺視野の機能①-中心窩を誘導する
5.2.2 周辺視野の機能②-動きを感知する
5.2.3 周辺視野の機能③-薄暗い場所では中心窩よりよく見える
5.3 UIの例
5.4 メッセージの可視性を高める手法
5.5 目を引くためのさらに強力な手法
5.5.1 手法①-ダイアログボックスを使う
5.5.2 手法②-(ビープ音などの)サウンドを使う
5.5.3 手法③-揺れや点滅などのエフェクトを瞬間的に使う
5.5.4 「さらに強力な手法」は控えめに使い、ユーザーの習慣化を予防
5.6 視覚探索は直線状
5.6.1 周辺視野で「浮き出る」現象をデザインで活用
5.6.2 目標の候補が多数考えられる場合
5.7 まとめ
第6章 読む能力
6.1 文章を読む技能は生得的言語能力に含まれない
6.1.1 「読む」技能が上達しない人、まったく読めないままの人も多い
6.1.2 読む技能の習得=視覚系の訓練
6.1.3 どのように読んでいるのか
6.2 「読む」処理は特徴駆動か文脈駆動か
6.2.1 「特徴駆動」が主導で「文脈駆動」は補助
6.3 熟達した読み手と未熟な読み手では使う脳の部分が違う
6.4 情報の不適切な提示方法は「読み」の妨げに
6.4.1 珍しい語やなじみのない語
6.4.2 見にくい表記や書体
6.4.3 小さすぎるフォント
6.4.4 視覚的ノイズ
6.4.5 似通ったテキストの繰り返しで埋もれてしまう情報
6.4.6 テキストのセンタリング
6.4.7 UIデザインへの応用-妨げず、助ける
6.5 ソフトウェア内の説明文の多くは不要
6.5.1 UIデザインへの応用-読ませる分量は必要最低限に
6.6 ユーザーテスト
6.7 まとめ
第7章 注意力と記憶力
7.1 短期記憶と長期記憶
7.2 記憶に対する最近の研究
7.2.1 長期記憶
7.2.2 短期記憶
7.3 注意と作業記憶の性質
7.3.1 注意の集中性と選択性
7.3.2 注意(作業記憶)の容量
7.4 UIデザインへの応用——作業記憶の性質がもつ意味
7.4.1 モード
7.4.2 検索結果
7.4.3 動作の要求
7.4.4 指示
7.4.5 ナビゲーション階層の深さ
7.5 長期記憶の性質
7.5.1 エラーを起こしやすい
7.5.2 勘定に影響される
7.5.3 時間をさかのぼって変容する
7.6 UIデザインへの応用——長期記憶の性質がもつ意味
7.7 まとめ
第8章 注意力と短期記憶の限界
8.1 目標に集中し、道具には目を向けない
8.2 目標に関連する事物には気づきやすい
8.2.1 注意を払わないことによる見落とし
8.2.2 変化の見落とし
8.2.3 あるものに注目しているときの脳の反応は?
8.3 短期記憶と注意力の限界は道具や工夫で補う
8.4 匂いを頼りに情報を追跡
8.5 慣れ親しんだ道を選ぶ
8.6 「目標→実行→評価」の思考サイクル
8.7 目標の達成後に「後始末」を忘れがち
8.8 まとめ
第9章 認識と想起
9.1 認識は容易
9.2 想起は困難
9.3 認識 vs. 想起——UIへの影響
9.3.1 現画像を小さく表示するにはサムネイルを
9.3.2 利用者が多い機能ほど、目につけやすく
9.3.3 自分の現在の位置がわかるよう視覚的な手がかりを表示
9.3.4 認証のための情報は想起しやすく
9.4 まとめ
第10章 脳の得手・不得手
10.1 人間の脳は3層構造
10.2 人間には2種類の思考モードがある
10.3 経験による学習は(普通は)容易
10.4 熟練技能の再現は容易
10.5 慣れないことは難しい
10.6 問題の解決と計算は苦手
10.7 UIデザインへの応用
10.8 問題の答え
10.9 まとめ
第11章 学習
11.1 習熟を早めるには頻繁に、定期的に、正確に練習する
11.1.1 練習の頻度
11.1.2 練習の規則性
11.1.3 練習の正確さ
11.2 習熟を早めるにはタスク指向で単純な一貫性のある作業に
11.2.1 タスク分析
11.2.2 概念モデル
11.2.3 一貫性
11.2.4 キーストロークの一貫性
11.3 習熟を早めるにはタスク指向で一貫性となじみのある表現に
11.3.1 タスク指向の用語を選ぶ
11.3.2 呼称や用語はユーザーが普段から慣れ親しんだものを使う
11.3.3 用語には一貫性をもたせる
11.3.4 用語は的確な概念モデルを基にする
11.4 低リスクのほうが探索も学習も進む
11.5 まとめ
第12章 意思決定
12.1 人はたいてい非論理的
12.2 損失は利得より強く感じられる
12.3 言語表現次第でバイアスも変わる
12.4 意思決定はイメージや記憶にも左右される
12.5 認知能力の長所と短所を利用する
12.5.1 合理的な意思決定を促す-システム2がシステム1を否定・懐柔するものを助ける
12.5.2 データ可視化-システム1をうまく利用してシステム2を支援
12.5.3 説得力-システム1をそそのかし、システム2を回避
12.5.4 意思決定支援システムと説得システムの比較
12.5.5 コンピュータセキュリティ-割は合うのか?
12.6 まとめ
第13章 フィッツの法則とステアリングの法則
13.1 フィッツの法則
13.1.1 UIデザインへの応用
13.2 ステアリングの法則
13.2.1 UIデザインへの応用
13.3 まとめ
第14章 時間の要件
14.1 応答性の定義
14.2 人間の脳のさまざまな時定数(ほかの入力に注意を向けられなくなる現象)の時間
14.2.1 音の途切れを感知できる最短時間-0.001秒
14.2.2 提示された視覚刺激が(無意識に?)影響を与えうる最短時間-0.005秒
14.2.3 「尻込み反射」(危険を感じたときに無意識に行われる反射的動作)の反応時間-0.08秒
14.2.4 視覚が出来事をとらえてから全体的に知覚するまでの時間(知覚循環時間)-0.1秒
14.2.5 出来事や音を知覚の上で「強制同期」するしきい値-0.1秒
14.2.6 サッカード(眼球の無意識的な断続的運動で、その間視覚が抑制される)の持続時間-0.1秒
14.2.7 ある事象がほかの事象を引き起こしたと知覚される事象間の最長時間-0.14秒
14.2.8 視覚に入った4個ないし5個のものの個数を数えずに把握する時間-0.2秒(1項目当たり0.05秒)
14.2.9 脳が出来事の存在や順序を編集する「編集ウィンドウ」時間-0.2秒
14.2.10 物体を認識した後に続いて起こる「注意の瞬き」(ほかの入力に注意を向けられなくなる現象)の時間-0.5秒
14.2.11 視覚・運動反応時間(予期しない出来事に対する意識的な反応)-0.7秒
14.2.12 人間同士の会話で、会話が途切れたと感じない最長の時間-1秒
14.2.13 単一のタスク(ユニットタスク)に対して注意を持続させられる時間-6秒から30秒
14.2.14 時定数の近似を使った開発-大きさのオーダー
14.2.15 人間のインタラクションの制限時間に従ったデザイン
14.2.16 0.001秒
14.2.17 0.01秒
14.2.18 0.1秒
14.2.19 1秒
14.2.20 10秒
14.2.21 100秒(~1.5分)
14.3 インタラクティブシステムの応答性を改善する補足的ガイドライン
14.3.1 「処理中」を示すインジケータ
14.3.2 プログレスインジケータ
14.3.3 ユニットタスク間の遅れはタスク中の遅れより許容される
14.3.4 重要な情報は最初に表示
14.3.5 手と目の協調作業を要するタスクで計算をごまかす
14.3.6 先を読む
14.3.7 ユーザー入力の処理を入力順ではなく重要度の順で行う
14.3.8 制限時間に余裕がなければ作業の質を下げる
14.3.9 ウェブ上でも適切なフィードバックを行う
14.4 応答性の確保の重要性
14.5 まとめ
Appendix1 エピローグ
Appendix2 代表的なUIデザイン原則
Appendix3 参考文献
Index 索引