モトローラ6800伝説
株式会社ラトルズ
著者:鈴木哲哉
はじめに
目次
第1書 伝説の誕生
1970年代の事情
仮想空間の電気街は希少な部品が堆積した宝の山
現実空間で伝説のマイクロプロセッサと出会う
半導体産業におけるモトローラとインテルの立場
電卓用ICの枠を超えて活用された4004
モトローラが組織を挙げて模索したNMOSの目玉商品
設計部門とソフトウェア部門と評価部門の連携
6800が8080に圧勝すると予測したふたつの根拠
PDP-11にならったと書き記された6800の発表記事
新規設計だからこそできた最短距離のアプローチ
シリーズ展開
6800を発売してすぐ始まった8080との価格競争
競争力を大幅に強化したデプリション負荷の6800
AMIと日立製作所とフェアチャイルドが作った同等品
ミニコンで動く開発ツールと開発支援装置EXORciser
端末で動かすMEK6800D1と自己完結型のMEK6800D2
なぜか目立った採用例が見付からない第2弾の周辺IC
日立製作所が開発してファミリーに加えられた周辺IC
インテルの8085をモトローラが6802で追う展開
ワンチップマイクロプロセッサ6801/6803の誕生
日立製作所が開発した二重ウェル構造のCMOS
市場の反応
6800が実現した高機能な電子機器
8080を採用した汎用のコンピュータAltair
端末がつながりBASICが走るスタイルを確立
6800を採用した汎用のコンピュータAltair680
歴史のはざまに咲いた徒花Sphere
マニアに寄り添う誠実な通販会社SWTPC
6800をマニュアルどおりに使ったSWTPC6800
箱形のコンピュータからパソコンへの展開
ザイログZ80の登場とSWTPCのその後
第2章 伝説の真実
6800の実態
モトローラの英文マニュアルと日立製作所の日本語版
コンピュータを支配するクロックジェネレータ
クロックに要求される波形と電圧
PIC12F1822を応用したクロックジェネレータ
アドレス空間にICを割り当てるための外付け回路
汎用のメモリを読み書きするための外付け回路
DMAのやりかたとDMAをやらないやりかた
シンプルなハードウェアで実現される割り込み
資料で知った事実を検証する試作機の製作
TTLで作ったLEDインタフェースによる動作確認
自作マニアの心情
6850を中心に構成する端末のインタフェース
6800シングルボードコンピュータの製作
端末と文字をやり取りするテストプログラム
プログラムの再現
SBC6800版Mikbugの制作
SBC6800版Mikbugの構造
端末に「HELLO, WORLD」を表示するプログラム
サイズが768バイトのインタプリタVTL
SBC6800版VTLの制作
VTLのサンプルプログラムを動かしてみる
ハンドアセンブルで書かれたマイクロBASIC
元祖マイクロBASICとビジネスに乗った派生版
SBC6800版マイクロBASICの制作
マイクロBASICのテストプログラムを動かしてみる
第3章 日本の伝説
国産パソコン第1号
パソコンへ発展しなかったコンピュータH68/TR
パソコンへの道のりを受け継いだ日立家電販売
日本で最初のパソコン、ベーシックマスターレベル2
家電の感覚で設計された6800まわりの回路
映像出力と兼用でリフレッシュを簡略化したDRAM回路
誤差2Hzのサウンドとカタカナ指定による音楽演奏機能
重量級の電源トランスを使ったアナログの電源回路
PACSの系譜
6800で並列計算機が成立することを証明したPACS-9
6800とAM9511で計算速度の向上を狙ったPACS-32
6800を使った世界最初の実用的な並列計算機PAX-128
6800の構造から脱却しても続く6800との因縁
6809の時代
8ビットの手軽さで16ビットの処理ができる6809
アドレス空間を縦横無尽に操作できる強力なレジスタ群
リロケータブルでリエントラントなモジュールが実現
6809シングルボードコンピュータによる互換性の検証
いち早く6809を採用したパソコン、富士通のFM-8
最新の製造技術を駆使した豪勢なメモリ群
端末制御を分散処理するサブブロック
ファミリーのICを使わないインタフェース
フロッピーディスクとバブルカセット
BIOSとシステムソフトウェア